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シーロメーター観測(Daily) |
村山隊員(第52次南極観測夏隊)の南極フォト日記 |
2011/04/06:ありがとうございました。 |
連絡が遅れましたが、村山はシドニーから空路で成田に3/20に戻って来ました。 まだ春の東京に慣れきれていませんが、最初に感じたのは寒い!でした。 北国の方が部屋の中は暖かいのと同じ感覚でしょうか? それから学生に話しているのは船乗りも悪くないということです。 それでは、長い間お付き合いいただきありがとうございました。おわり。 |
2011/03/13:オーロラ |
一昨日に起きた東北・関東地方の大地震で大変な思いをしている方もいらっしゃる少なくないと思います。 自分も生まれてから最も大きな地震を間接体験しています。 こんなときになんですが、昨日たしか56°S付近ではっきりと見えたオーロラの写真を送ります。 海面近くを撮ったのですが、左側上方に伸びるオーロラはカーテンっぽく見えます。 思っていたよりは長い時間安定には見えません。手で構え5秒露出なので星は揺らいで見えます。 しらせは8時現在、53°をさらに北上、シドニーに一路向かっています。外気温も8.4℃でした。
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2011/03/01:再び氷の世界 |
もう学生さんは春休みですね。 先日メールしたようにもう流氷や氷山は見られないと思っていたのですが、 再び海洋観測のため大陸に近づいてケープ・ダンレイ沖に来たときは往路では見られなかった珍しい「はす葉氷」が海面に一様に現れました。 流氷の初期段階的なものですが、本当に氷でできた蓮の葉のように浮いています。
そして今日しらせはアメリー棚氷に近づいてくれました。 最初は遠くから「あれか」ぐらいに眺めていたのですが、再び人に言われて甲板に出てみると、直ぐ目の前に絶壁が延々とそそり立っていました。 高さは40mあるそうです。 まともにカメラでその断面を撮ると単なる氷の壁としか写らないので、少し遠くの棚氷も見える1枚にしてみました。
棚氷に近い海面からは湯気のような蒸気が立っているように見えますが、外気温は-20℃ということで、 お湯を空気中に投げると直ぐに氷になる実験をしていました。 断面の上部からはつららが下がっていたり、断面に空いた穴は深いスカイブルーだったり、 面白みのある凹凸など想像で描く抽象絵画よりずっと面白く絵になると思いました。 それからゆきどりなどの海鳥も多く飛んでおり、とても小さく見えたことに驚きました。 |
2011/02/24:初めての鯨の写真 |
お元気でしょうか? 大抵の隊員は既に、鯨、いるか、しゃちの写真を撮っているのだが、自分はどうもタイミングが悪く、 今日初めて停船中に割と近くを泳いでいた鯨の背中の一部と潮を撮ることが出来ました。 何故かわかりませんが、南極の周りは鯨が多いようです。 背びれのようなものも見えますね。今度はもっと近くで撮りたいものです。 また、見てわかるように今は流氷域を抜けて普通の南極海を航行中です。 周期の長い揺れが始まりました。
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2011/02/22:氷海に住む魚 |
実は、昨日、氷山のメールを書く前に停船中のしらせの後の観測甲板から魚がいると聞き、 写真を青白く光る魚影を撮っていた。するとその情報を知ってか51次の越冬隊長が釣り糸を垂れ始めた。 魚がうようよと沢山寄ってきたのには驚いた。餌は無くても釣れていた。
10cmくらいの背中が虹色に光るいわしっぽい魚が2・3匹捕れたところで寒くて一端、 部屋に戻ったが気になったので再び戻ると種類の違うもっと大きな全体に白っぽい魚も2匹釣れていた。 シャーペンの大きさと比較すればその大きさがわかるでしょう。 釣った人も餌を後から用意した人も魚の種類を鑑定した人も生物系の人で、大きい方は「ボウズハギ・・・」とか言ってたけど覚えていない。 こういうところが自分らしい。
今、学生さんは試験が一段落しただろうか? 今の自分だったら、落第しているだろう。 後2分後の5:00には砕氷航行が再開されるので、腹に響くエンジン音が鳴っている。 |
2011/02/21:巨大氷山現る。 |
もう帰国まで1ヶ月を切り、明日にも普通の海洋域に入りそうなので、もうなかなか送るネタはないかもしれません。 うまく行けば長くなってきた夜(8時間位)にオーロラが見えてもいい頃なのですが、天候がなかなか安定しません。 今日は飛行作業でほぼ一日停船したいたのですが、なんでこんな定着氷縁に思う場所に、巨大な氷山が居ました。 巨大なテーブル型氷山が周りにあるだけで驚くのに、写真の氷山は山のようで高さがありました。 頂上は100mを優に越えていたのではないでしょうか? 今朝は濃霧に覆われてフライト時間もかなり遅れたのですが、 その霧の中から山水画のような氷山から霧が晴れて全容が現れてくる様子を示す3枚です。
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2011/02/16:動物編 |
今まで紹介できなかったいくつかの動物の写真(ペンギンとアザラシはあまりかわりませんが)をまとめて送らせて頂きます。 1. しらせから撮った定番のペンギンの団体さん(今までのとだぶっていないと思うけど)。
2. あざらしのハイハイした跡。これが最後には尻尾をフリフリするので消えてしまいます。
3. 昭和基地沖接岸中のしらせの直ぐ下に降りたカモメっぽい鳥。 飛んでいるところが格好良い、この手の大きな鳥がいたのだが機会が少なく今回は一度も撮影できず。水かきが見える
4. 昭和基地管理棟のバーに飾ってあった基地沖で釣ったライギョダマシという魚の魚拓。 魚拓とするには頭が左にないといけないそうで、価値無しか。しかし、その大きさに驚かされる。
以上です。 |
2011/02/16:今日この頃 |
このところ連日のように51次隊越冬隊員がしらせに帰還している。 最初に昭和基地から越冬隊員がヘリで戻る場合は、総員集合(しらせの人も観測隊も人も)がかかって格納庫に集まる。 全員整列で越冬隊員を拍手や握手で迎える。 中には涙ぐむ隊員もいれば、「イエー」と言いながら手をたたき合わせながら通り過ぎる明るい女性隊員もいる。 今月はやたら誕生日の人が多く(こういう情報はバレバレ)、 その度に夕方のミーティング後は皆で「パッピーバースデー」を歌う(この辺までは往路と同じ)。 そして、51次のシェフが作った特大バースデーケーキが出てくる!これが無茶苦茶おいしい。 スプーンですくって皆で分け合う。ケーキには蝋燭の代わりに名前、年齢等が書いてある団扇の上だけみたいなものを紙で作って 下部に爪楊枝を2, 3本挟んでケーキに立ててある。 2/14はお昼ご飯のときに2人のしらせの若い隊員が女装してチョコレートを各人に配った。 この女装の人は赤道祭のときに見たなぁと思いつつ(結構、かわいい)、 僕はもう一人の頭の真ん中を剃ってカッパかUFOのようになっている隊員から受け取った。 それが添付写真のチョコと帯である。ホワイトデーのお返し忘れないでねってのが面白い。 夕方には52次観測隊女子からチョコの配布があった。 小袋に貼ってあった「村山さま」と書かれたハートマークは部屋の前の名札のところに貼っておいた。
昨日、午後からはたぶん今回最後になるブリザードがやってきた。20m/sの強風と雪である。 それでもどうしても飛行作業をこなさねばならず、一便が昭和基地他を廻って帰還した。 帰還時はほぼ視程数mあるかないかである。 このヘリが飛行甲板に普段と違って斜めの向きに降り立ったのだが、その着陸は困難を極めた。 揺れながら相当慎重に普段よりずっと長い時間をかけて甲板に降りたときは、皆から拍手が沸いた。 このときのビデオを撮らなかったのが残念である。事故るかと思ったくらい。 パイロットは最年長の飛行長で普段は物腰が低いのですが、凄いテクニックでさすがです。 最近は日本から免税品で購入したビール類は部屋の外の甲板で冷やしている。 昨日はブリザードの中、決死の思いでビールを一缶取りに行った。 雪が積もっていてやたら滑った(本当は出てはいけない天気だったけど往復で10mもない距離だったから決行)。 この-10℃程度まで冷えたビールが普通に冷蔵庫なんかで冷やしたのに比べ無茶苦茶うまい。 ここまでしょうもないメールを読んでくれた人に感謝。 |
2011/02/14:しらせから |
今日は、しばらくぶりに朝から雪となっています。最近のしらせからのぞむ風景の写真を送りたいと思います。 1枚目はしらせが昭和基地に接岸する前の姿です。これはLANディスクのアルバムから撮ってきたものですがラミング(氷海航行)時に、 どのようにしらせは進んでいるかを示しています。 新しいしらせから散水機が前方が着いたことによって、氷砕性能が上がったと言われています。 この散水された水が海表面にまかれるとあっという間に凍ってしまいます。 2枚目はその氷が作る面白いパターンを示しています。 3枚目はラミングしたときにしらせの船首船底が海氷にめり込んで止まってから後ずさりしているところです。
左前方に往路のしらせの航跡が盛り上がって見えます(先の氷山の写真にも写っていました)。 4枚目は逆にラミング時のしらせの甲板最後方から撮った写真です。朝日に照らされてよくわかりますが、 空気より暖かい海から湯気が出ているような現象です。 最後は夕日に映える氷山です。以上、僕からのプレゼントです。
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2011/02/13:霧氷 |
もう既にかなりの数の南極メールを送ったので、場合によっては既に同じ内容を送っている場合もあるかもしれないと思いつつ、 2/10, 7:20頃に船の最上甲板で取った霧氷の写真を送ります。 船のワイヤーロープの途中まで氷は付着しているところ、手すりに発達した霧氷、そしてわかりにくいかもしれませんが、ダイヤモンドダストです。 背景が黒っぽい色の方が分かり易く、実際はもっとキラキラしてとてもきれいです。 まだまだ、きれいで送っていない写真のカテゴリーがあると思いますで、時間のあるときに送りたいと思います。 明日はバレンタインデーでかつ学生さんは試験開始だそうですが、バレンタインメールを義理でいいですから下さい。
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2011/02/12:蜃気楼ほか |
昨日の朝は定着氷の上にある氷山の蜃気楼がよく見えました。 しばらく見ていると時事刻々とその姿を変え、最後には消えてしまいました。 どれが蜃気楼がわかるよね。
同じ大気光学現象としてサンピラーというのがグリーンフラッシュ観測時に見られました。 沈む太陽の上に向かって光りの柱が伸びているのがわかるでしょうか? これは雪の結晶のいたずらなようです。
最後にしらせからはペンギンの足跡がよく見られるのですが、最初は何だろうと思っていました。 そう言えばペンギンは飛ばない訳だし、おしりの部分をひきずるのでこんな跡になるんですね。 よちよち歩きのペンギンが想像できます。意外と長い距離歩いています。 途中で仲間と別れているのものいたりします。ペンギンは人気は根強いですね。 このところ晴れしかも快晴の日が多く、朝の放射冷却が凄いです。今も-10℃はいっていると思います。 船の甲板の後では波が霧となっており、ダイヤモンドダストも見えキラキラしてとてもきれいです。 東京も寒いようですが、防寒をしっかりして下さいね。
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2011/02/09:白瀬氷河フライト! |
なんと昨日夕方、夏隊副隊長から「白瀬氷河に行きますか?」と聞かれ即座に「はい」と答えました。 実はしらせにくすぶっていてあまり自衛隊ヘリに乗っていない海洋観測グループには全員声がかかっていて、 また同時に多くの自衛官とも一緒に一便21-25名で90〜120分のフライトが3便構成されていました。 これにはその他観測隊からは、隊長、副隊長、報道関係、学校教員、庶務係などが加わっていました。 白瀬氷河は昭和基地からさらに南の70°S付近に広い白瀬流域(日本の本州と同じ大きさ)のもとにあり、 世界で最も早く流れる氷河だそうです (昨日のラミングでは氷が厚くて大して風景が変わっていないほど進んでいなかったので昭和基地から飛んだと考えて下さい)。 観測隊員の中には泣きそうになった(泣いた?)という方もいたぐらい感動的でした。 僕は写真とビデオを撮るのに一生懸命でそういう気持ちにはなりませんでしたが、 驚異の自然美に尽きます。 添付写真は、氷河らしい流れ、面白い海氷のパターン、大きなクレパス、途中の露岸大地のアップです。 ちょっと贅沢に大きめのサイズで送ります。
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2011/02/08:昭和基地沖離岸 |
本船(しらせ)は本日2/8, 8:15頃、昭和基地沖を氷海航行にて離岸しました。 9:30頃には福島ケルンの基で見送る52次越冬隊員の姿を確認できました。 2/5には昭和基地よりさらに南に下って、長頭山〜ラングホフデ沖付近で氷海航行性能試験が行われました。 これによって最大60度20分まで南下したことになります。 この試験航海は多少お手伝いもしましたが、快晴の天気で私にとっては最高の氷海クルーズになりました。 2/2にヘリの空撮で空からみた露山大地を氷海から確認するような風景となりました。 あざらしも沢山見られ、特に氷の割れ目や融けて薄くなったところからひょっこり現れている感じでです。 船が近づくと大抵逃げる方向に動くので正面の顔を写真で撮るのは難しいです。
数匹集まっているところや這う様子を遠くから見るとまるでナメクジのようにも見えます。 右回りと左回りの旋回も行ったのですが、そのときは観測隊ヘリ「ゆきどり」が撮影に来ました。 もちろんカメラマンは産経新聞の芹沢さんです。 海氷の極近くを飛んで雪が舞っていました(やりすぎ?)。 しらせでは芹沢さんと同室の土屋さんがこの試験の担当者でしたから、もってこいだったでしょう。 なお、土屋さんは本学の庄司邦昭先生のフレセミでも訪ねる東大の研究室のスタッフです。 さようなら、昭和基地。
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2011/02/05:グリーンorブルーフラッシュ? |
ついに昭和基地沖接岸中の「しらせ」から昨晩10時過ぎに、南極の太陽の沈む瞬間に見られるグリーンフラッシュ、 さらには青みがかったブルーフラッシュをカメラでも捉えることが出来ました。 目で見た感じでは前回1/31に昭和基地で見たものよりは顕著ではありませんでした。 この日、夕方も快晴だったので最近では日が刻々と短くなっていますが、 前回の昭和基地での経験から日没時間より早めに行って、なるべくしらせの甲板の下部から山に沈む瞬間から撮影するようにしました。 添付の写真はその中でも普通の沈む太陽の色から最後の沈む瞬間までのおよその連続撮影です。 切り出しているのでサイズはまちまちですが、段々太陽の色が青みがかっていくのがわかると思います。 目ではやはり緑というより青っぽかったです。
もしチャンスがあれば次回は完全な緑色を捉えたいですが、「目では見えてもなかなか写真に撮るのは難しい」と50次の越冬隊員で大気現象の写真家・ 武田康男さんの「世界一空が美しい大陸南極の図鑑」(草思社)にも書かれています。 ちなみに著者は本学の岩坂先生の大学の同級生で、現在、高校の先生をされていますが、沢山の大気光学に関する写真集を出されています。 面白いことにしらせの上の甲板に行くほど太陽の沈むのが遅くなり、ついには蜃気楼となっていつまでも消えない夕日となりグリーンフラッシュは見えなくなりました。 これは快晴だったにも係わらず往路時の「しらせ」からグリーンフラッシュが現れず蜃気楼になってしまったときと同じ現象です。 一体何が影響しているのでしょう。自然現象の不思議さに驚かされます。 |
2011/02/04:おまけ写真 |
管理棟前の昭和基地看板のある広場での朝のラジオ体操風景です。体操を一時止めて撮影しました。
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2011/02/03:昭和基地にて |
ご無沙汰しています。1/31-2/2の日程で昭和基地にて再び潮汐観測に参加してきました。 短い期間でしたが、その間に越冬交代式(2/1)があり、その日のうちに宿舎を交代したり、劇的な場面に遭遇することが出来ました。 やはり昭和基地にいた方が南極観測隊の生活を感じます。 添付写真ですが、1眼レフカメラを置いてきてしまい、コンパクトデジカメで撮ったので思うように再現出来ていないのですが(残念!)、 1枚目は初日の夜10時半頃の日没時に見たグリーンフラッシュを撮ったものです。
目でははっきりと山の端に沈む太陽の上端に現れる緑色の光線を何回も確認できました (自分が上下したり、左右に移動することで山の端に沈む太陽の最後の瞬間を何度も再現できるからです)。 2枚目は宿舎の前に干してあったマットに落ちる完全な星型の雪、
岩は茶褐色で地層や褶曲がよく見られます。氷河に上に融けた水がきれいな水色の池を作っているのも見えました。 山も海も面白いパターンに満ちていました。この90分くらいのフライトは最高でした。
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2011/01/23:それぞれの南極の夏 |
先のメールで書いた潮汐観測を行った場所は「西の浦」という東オングル島の一番大きな入り江であった。 それを見ながらこれが言ってみれば南極の夏の海(とても海水浴場になるには岩だらけで無理)なんだよなと、 氷だらけの海に無理に日本の夏の海を重ねてみた。 昨日は「しらせ」で露天風呂「オングル温泉」が催され、「氷河の湯」と「雲母の湯」が夜の01甲板右舷に、出現した。 湯はぬるかったようであるが皆、ワイワイ楽しんでいた。隣にはおでん屋さんまで出ていた。 昭和離岸が2/8、ヘリでの昭和最終便が2/18と予定されている。復路は51次の越冬隊と52次の夏隊がしらせで一緒になる。 設営や野外観測の仕事に今日の夕方も2名ばかり観測隊ヘリで昭和基地に仲間が出かけていった。 しらせが本格空輸のため向きを変えたため、今は基地がよく見える。ヘリのフライトにしたら2分程度か? 自分も乗ってみたいが機会がなさそうだ。毎回、着艦時と発艦時はヘリのブレードを取り付け・取り外しを手伝うのだが、とにかく正確に取り付ける。 安全とはそういったものだろう。一日に十数回も昭和基地とを往復する自衛隊ヘリが信じられない。 そのうち昭和基地のバーについて会って話しましょうね。 |
2011/01/21:昭和基地に泊まった。 |
たった2泊3日であったが、昭和基地の第1夏宿舎に滞在して潮汐観測に参加した。 生憎、2日目は朝4時から潮位を測定したものの昼からは強風で全く作業は出来なかった。 最高で30m/sはあった模様。この日は52次隊の休養日だったので、良かったとも言えるのだが。 最初、基地を歩き回ったときは各種アンテナや高床式の基地の建物はいかにも「観測基地」という感じでどこか別の惑星にでも降り立ったような風情である。 同時にあちこちで工事が行われている。本学でもある機械方面の会社に就職した卒業生がやはり南極観測隊に参加したという話を聞いたことがある。 やはり建物や装置あっての基地であるから重要である。
夏宿舎は第1は第2より恵まれているが、それでもしらせよりは不便な面は多い。 でもほとんどの隊員が滞在し、活動している昭和基地には活気があり、ムードがある。 昨晩は基地のBarに行った。これまた基地の歴史と作り上げてきた文化のようなものを感じた。 毎晩、ミーティングがあり、翌日の計画などが話し合われる。 今朝はラジオ体操の後、朝礼があり各作業担当から作業内容が紹介される。 その後、海氷観測Gのスノーモービルでしらせまで送ってもらったのだが、その場にペンギンが一匹現れた。 まっすぐこちらに向かってくる。上陸口では雪を落とすことになっているので、向こうの雪に比べ手前の雪が汚れているのがわかる。
汚れた雪は太陽の放射を吸収して直ぐに解けてしまうので、基地から出るときは良く雪を落とさなければいけない。 やはり労務作業はいとわず基地に滞在して味わうべきであると思った。 越冬隊は管理棟にいるので数名くらいしかそれらしい人とは会わなかった。 あと、隊長からの転送ニュース:木村拓哉が主演で、「南極大陸〜上の領域に挑んだ男と犬の物語〜(仮)」ドラマが10月からはじまるんですって! |
2011/01/13:氷上バーベキュー |
ご無沙汰しております。 自分は腰は痛いし沈滞していましたが、皆さんの苦労をねぎらうようなような行事が今日の夕方にありました。 氷上バーベキューです。これらの準備は全て乗組員さん達によってなされるので、観測隊は全くのお客さんです。 但し、夕食の替わりなので、必参加です。船首側で行ったので写真には絶好です。
1枚目は艦長としらせにいる観測隊全員で撮った写真です。 2枚目からはかなり本格的なBBQだったことがわかるでしょう。 でも約17:30-19:00と時間は限られていました。 単調になりがちな労働生活の中で貴重な息抜きだったと思います。 そういえば観測隊の太田嬢はしらせの皆さんに担がれておみこし状態で笑いを誘っていました。 |
2010/01/08:基地の夏 |
今日の1枚目はブリザードの後、しばらく好天が続いた頃のしらせから見た風景写真です。
2枚目の大陸上のアンテナは、今回の観測隊でも最も大きなプロジェクトである中間圏の大気を探るためのアンテナ群の一部です。 最終的には1000本を越える本数を立てるそうです。
昭和基地に着いたら、ドームふじの内地旅行に出る人、野外観測に出る人、残りは昭和基地での観測の他、設備・建物の建築・設営 に関わる人達が多く、我々のようにしらせに残って観測をしたり、復路での船上観測の準備している人はマイナーである。 特に昭和基地で労務作業に関わっている人は多い。 毎日の人工数によって夏作業の進み具合が決まってくる。氷上輸送も夜間やっているので、しらせでは夜食が出る。 しらせの人の多くも現在、昭和に移って労務作業に加わっている。 ここで野外に出る人が気をつけなければいけないのが紫外線対策だ。 スキー場を思い出せばいい。昭和から来る人のほとんどは真っ黒に日焼けして誰なのかわからないくらいだ。 そう言えば現在、地質観測で野外に出ている研究者に本学の80周年記念会館にある「昭和基地の石」を鑑定してもらった所謂、 変成岩の一種で5億年前につくられたものだそうで、南極では一般的に見られておかしくないそうだ。 ガーネット(石榴石)という岩石も多いらしい。 |
2011/01/04:ブリザード |
ここ2日程度基地周辺はいわゆるブリザードに見舞われて「外出注意」が出たり、 しらせ側もほとんど作業が出来ない状態が続いている。 添付の写真には吹雪でかすむ海洋観測G利用のスノーモービル、直ぐ近く(50mくらいか)の見えにくくなっている山、 うねっているのはしらせから伸びる貨油輸送のホースだ。
今日、12時の気圧は972hPaであった。夏でもブリザードがあると聞いていたが、直ぐに出くわすとは思わなかった。 ブリにもA, B, Cがあって多分、今のは軽いAぐらいらしい。 野外観測に出かけている人達はどんなふうに過ごしているのだろうか。 僕は相変わらず、しらせに残って装置調整をしている。今日は当直でもあり、意外と気を遣う。 |
2011/01/02:昭和基地に着いた。 |
明けましておめでとうございます。よいお正月をお過ごしと存じます。 昨日、元旦は新年祝賀会でお年玉抽選会で当てたり、その後の祝折り詰めが良すぎて飲み食べ過ぎたせいが、 その後、大変な思いをしてメールも休業しました。 私の説では南極では通常の気圧が980hPaぐらいしかなく(日本だったら台風並みである)、お酒に酔いやすい状態にあるとしか思えない。 ただ、10年前に、飛行機の中で昔は無料だったワインを隣にいた会社員に勧められるままに飲み過ぎて、 トイレの前で気を失ってアバラ骨2本を折ってそのまま1週間ロングビーチでの国際会議に参加したことがある。 おまけに帰りにはロサンゼルスで例の有名なアミューズメントパークでBack to the Futureのマシンに乗って死ぬ思いをした。 ところで、しらせは昨年12/31 23:30に昭和基地沖に接岸した。一番近い陸までは200-300mくらいであろうか? 今日、海氷安全講習で行った基地の一角が2枚目の写真である。 動くのかどうかわからなそうな雪上車が沢山ある。 また、貨油輸送というのらしいがしらせから昭和基地へパイプラインのようなものを通して、越冬に必要となる燃料を輸送している。 まさに一年に一度のライフラインで基地は成り立っている。 その作業中にもひょこり現れるのがペンギンである。逃げたりもしないし、追いかけてもいけない。
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2010/12/31以前の記事はこちらからどうぞ。 |