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研究紹介(理論・計算系)

担当教員:関口 准教授
放射伝達モデルの開発
model

地球は太陽から一方的にエネルギーを受け取るだけではなく、同じ量のエネルギーを宇宙空間に射出しています。この地球と宇宙の間のエネルギーバランスの微小な変化が、地球温暖化を引き起こしていると考えられています。

地球観測衛星に搭載されている光学センサは、雲や地表面によって反射された可視光だけを観測しているのではなく、地球大気や地表面から射出されている目に見えないエネルギー(赤外線)も観測しています。得られた観測値を解析することで、雲やエアロゾルの光学的厚さなどの物理量が推定されています。

地球温暖化予測では全地球スケールで、衛星データ解析では地域スケールでエネルギーの伝達過程をモデル化します。どちらの場合も、地球大気に含まれる温室効果気体、雲や大気浮遊粒子(エアロゾル)のような要素をモデルに組み込み、複雑なエネルギーの伝達過程をできるだけ精確に再現する必要があります。 関口研究室では、このような様々な要素を考慮した「エネルギーの流れをコンピュータで計算するモデル(放射伝達モデル)」を開発し、地球温暖化予測や衛星データの解析に役立てています。

 

温室効果気体の影響評価
radiation

太陽からの光が地表に到達する前に、気体分子に吸収されたり、雲粒子や大気中の微粒子(エアロゾル)に散乱されます。これを放射伝達といい、地表面では大気によってどの程度減少するかをコンピュータでシミュレーションしています。

人間活動に寄って増加した温室効果気体は、特定の波長の光を吸収します。これを吸収線と言いますが、その数は百万本以上にもなります。この影響を逐一計算するのは大変な時間がかかりますので、計算時間短縮のための工夫が必要です。本研究室では、簡略化した気体吸収過程を放射伝達計算するプログラムを作成し、温暖化研究に役立てています。

 

非球形散乱過程と雲の立体形状過程の効率化
cloud

空には様々な形の雲が浮かんでいます。高層を飛ぶ飛行機の排気ガスでできる飛行機雲は滑らかで薄く、夏の夕立をもたらす積乱雲は、内部の活発な対流のためもこもこした形をしています。しかし、このような様々な雲の影響をコンピュータで計算しようとするとき、計算手法が複雑で時間がかかるため、これまではすべて同様の性質を持つと仮定して扱っていました。計算機の性能の飛躍的な向上に伴い、世界の様々な研究機関で雲をより精密に評価する取り組みが活発になってきており、日本でもその必要性が高まっています。本研究室では、高速かつ高精度な非球形散乱過程と雲の立体形状の計算アルゴリズムを開発し、衛星解析や気象研究に役立てようとしています。

本研究は平成21年度科学研究費補助金(若手(B))の援助を受けています。

 

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